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先日、いとこからの喪中はがきにより、いとこの子供の死をはじめて知りました。
そんなことがあったなんて、全然知りませんでした。
むろん、葬式にも出席していません。
というか、私はその従兄とも20年以上前に結婚式で会ったくらいで、その子のことも話では聴いていましたが、会ったことが無いのです。
男の子だということと、私の坊1(20歳)と同じくらいの年齢だということ、そして名前しか知りませんでした。
性別と年齢が近いこともあって、
他人事とは思えず、胸がざわつきました。
母方の従兄なので、ひょっとして母は知っているかと思い確認したところ、母も大変に驚いていました。
従兄は、母の姉の子になります。
母の姉はとっくに亡くなっているので、その旦那さんに電話をすると、
やはりというかなんというか、他人を葬式に呼べるような状態ではなかったと。
いとこの子は、自殺だという事でした。
いとこ夫婦の子育てについては、こんな話を聞いていました。
とても、しつけに厳しく、
大きな声で叱り、時には手を出すこともあったと。
勝ち負けにこだわる親に対して、
優しく気弱な子だったと。
その子は、両親の期待には沿えなかったようなのです。
伯父の前で「将来は田舎で農業をやりたい」と言った子を、激しく母親が叱責したこともあったそうです。
田舎で農業をやるって、立派な夢だと思うけれど、
それを「そんなことはさせない」と、
𠮟ったというのです。
なぜなんだろう?
なぜ、「そんなこと」なんて言うんだろう?
私には、分かりません。
18歳になり、就職のために家を出たその子は、
2年間真面目に会社に勤務した後、
アパートの部屋をきれいに整え遺書を残し、
海へ飛び降り自殺を図ったと。
部屋は、とてもきれいに片付いていたと言っていました。
伯父は、「可哀そうなことをした。気付いてやれなかった。」
と、悔やんでいました。
せめて、伯父に頼っていてくれたら・・・。
そんなに若くして、覚悟の自殺。
理由は何だろう?
彼の生きる気持ちを、何が奪ったのだろう?
連絡をするのもためらわれ、
伯父に話を聞いたきりですが、
いとこ夫婦は息子に先立たれ、
何を思ったのでしょうか?
本当は、生きているだけで万々歳。
大成功なはずなのに、
生きていてさえいれば、
他には何もいらないはずなのに。
いったいいつから親は、
子供にいろいろな期待を課すのだろう?
頭の中に理想とする子供像があって、
それと比べて「それではダメだ」と言って、子供を責めて、
時には心をめちゃめちゃにして・・・。
そんな「しつけ」と称した親の価値観の「押し付け」を、
私も、子供にしてきてはいないだろうかと、
ふと不安になる。
遺書には、こう書かれていたそうです。
「20年間の人生に悔いはない。今まで、ありがとうございました。」
悔いはない・・・。
その言葉があまりにも辛く、
あまりにも悲しく、
そんな風に子供たちを、
追い込んでしまいたくはないと、心から思いました。
「生きているだけで、良い」
息子たちにはそう思ってもらいたいし、
事あるごとに伝えてゆきたい。
私は、そう思います。