書斎は必要か

父の夢

父の夢は、書斎を持つことだった。

定年退職後は、そこで一日中本を読んで過ごしたいと。

だから家を新築した時、二階に小さな書斎を作ったのだった。

いくらでも本が入れられるように、部屋の一面を床から天井までの造りつけの本棚にした。

そこに、祖父が生前持っていた本と自分の本を、喜んで並べたのだった。

部屋の北側には私が嫁に出るまで使っていた机を置き、座り心地の良いイスを買った。

南側には音楽が聴けるように、音響設備も整えた。

そう、ついに父の夢はかなったのだ。

・・・・かなったはずなんだけど。笑

以下、「父に書斎は要らなかった3つの理由」を述べます。(*’▽’)笑

①書斎に居ない

母曰く、

「書斎に居ないのよ~💦」

なんじゃ、そりゃ。笑

家を新築した時は、祖父と祖母がまだ健在だった。

なので、一階には祖父母用の部屋があった。

しかし、しばらくして祖父母は相次いで亡くなった。

大部屋が空いたもんで、今は何となく父の部屋になっていて、

日当たりが良いからソファーも置いて、

庭木も眺められるしイスもテレビもあるもんだから、そこに座ってテレビ見て、

一日中何となくそこで過ごすから、2階の書斎にはまず行かないのである。笑

父は、一人になりたいから書斎を欲しがったが、別に一人になれれば書斎でなくても良かったのであろう。💦

家族の形が変われば、書斎の必要性も無くなるのである。

②寂しがり屋

若い頃は、個室に閉じこもって一人の時間を過ごしたかった父であるが、

家族も減って私も嫁に出て、

今となっちゃ強制的に一人の時間だよ。(母は居るけど・・・)

年をとった今むしろ寂しがりになったので、一階にいて妻の存在を肌で感じたいんじゃないの?

母は常に台所にいるしね。

一階なら、玄関にお客さんが来るとすぐに出られるしね。

出たいんだよ、父は。笑

寂しいから。

③本を楽しまない

最大の問題はこれ。

そもそも論として、実は父は本を所有する人ではないのだ。

父は、本を図書館で本を借りてくる人なのである。

なぜかというと、

ケチ倹約家なので本を買わないのである。笑

本棚に飾ってある本は、父が過去になんとなく買ってしまった古い本ばかりで、そもそも読んでいない。

ケチ物を大切にするゆえに、捨てられないだけなのだろう。

しかも、父は本を楽しむ人ではない。

「今日は半分読んだ」とか「1冊読んだ」とか、自慢する。

中身を語ることはしない。

あれは、読んでいない。

あれは、睡眠導入剤だ。笑

導入剤なら、図鑑でも1冊あれば良いんじゃないのかな。

本が好きじゃないのに、書斎はいらんよね。笑

定年退職後のチャレンジは慎重に

思い返せば、父は若い頃から本は読んではいなかった。

なのに定年退職後に、いきなり読書家になる訳ないんだよね。

本が好きなら、若い頃から読んでるよ、どんなに仕事が忙しくてもね。

今、本を読んでいないのなら将来も書斎なんか必要ないし、

そもそも本を図書館で借りてくるなら書斎はいらないし、

他に部屋があるなら書斎はいらないし、

寂しがり屋は部屋に閉じこもらないし、

結局、書斎はいらないよなって思っちゃう。笑

結局、実家に書斎はいらなかったよなって思います。

だからね、いずれ、私の物置にしちゃお~っとって思っています。笑

だってね、高齢者は足腰を悪くしたら2階には上がれないからね、多分ね。

まあ、書斎は男のロマンだったのだろうが、

ロマンは所詮ロマンで終わるのだよね。笑

写真はPAKUTASOさんのフリー素材を使用しました。

古書が並ぶ本棚のフリー素材

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