親の立場からの美術大学18 石膏デッサンと粘土

坊1が高校生の頃、美術系大学を受験すると決めた時、思いつくままにいくつか書籍を買い求めました。

「大学入試シリーズ」はその時に買ったものです。(*’▽’)

正直、買わなくても良かったかも・・・。

あっ、でもそれは坊が「彫刻科」を受験するからであって、

芸術学科を希望される方は持っていた方が良いです。

無論、美術系の予備校に通っている方は、学校の図書コーナーにでも置いてあるでしょうからコピーさせてもらえば良いのかもしれないのですけれども。

東京藝術大学の彫刻科は、坊が受験した2021年よりシステムが変わりました。

それまでの素描の一次試験の他、彫刻ⅠとⅡで二日間、合計三日間3つの課題があったものが、

現在は一次と二次、二日間で合否が決まります。

なぜ減らされたのか、私などには知る由もないのですけれど、

工作が無くなったことで合格した先輩もいたそうですから、大学側のシステム変更によって、学生の明暗が分かれたというところでしょうか。

使っている能力が違う?

坊の話によると、粘土と石膏デッサン、使っている能力が違うらしいのです。

石膏デッサンの方が得意な人。

粘土・工作が得意な人。

どうしてもどっちかに、偏ってしまうみたいなんです。

坊は粘土が得意なのですが、

講師によく褒められるのが、

「360度、ようく観察している」「面の取り方が優れている」「繊細である」ってところだそうです。

ところが、この長所が平面の石膏デッサンになると生かされないらしい。

「癖のある」デッサンになってしまうそうなのです。

坊の長所が短所になってしまうのです。

石膏デッサンをクリアしないと合格しない

長所が短所になってしまうとは、困ったことです。(;´∀`)

「個性的な石膏デッサン」などは、受験では評価されないので・・・。

坊は今「癖」を捨てようと必死になっています。

なにせ、一次試験が合格しないと、二次に行けませんから死活問題。

粘土が一次だったら良いのにな~💦

大学に入ってからはまた違う

じゃあ、石膏デッサン力が優れていれば安泰かというとそんなことはなくて、

得をするのは一次の素描受験時のみ。

2次では当然苦労するはずだし、

大学に入ってからは塑像の実力の方が重視されますしね。

時々、美大受験てなんだろうと、考えてしまいますね。

2浪も3浪もして、個性を捨て去る儀式でもしているみたいに、毎日毎日自分自身と格闘して。

精神も肉体もすり減らして。

親の私から見ると、

美大の受験って、まるで「癖」を抜き去るための苦役のように見える。

スタンダートってものを学んで、

そして「癖がないって、こういう作品」っていうのを造り上げて、

そこから、個性を練り上げろってことなのかな。

個性のスタートって、まず透明になれってことですかね?

・・・・坊の修行は、まだまだ続きます。

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