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案外普通
美術予備校は、美術系大学へ入学するためのスキルを学ぶところであるが、
通常の授業だけではなく、学生が楽しむための「イベント」も用意されている。
坊などは今までにも、登山に行ったり講師の家に招かれて食事をしたりしている。
そして、予備校で行う大き目のイベントとして、全生徒が出品する「オリジナル作品の展覧会」がある。
これは、大きな展示場を貸し切って行われるもので、学生は自分で企画・作成・展示をし、一般の観覧者も広く呼ぶ。
人気投票をやったり、各科ごとにで優秀者を選んだりするお祭りだ。
私はこれを、何年か連続で観に行っているのだが、いつも感心する。
それは、
「大学入学前なのに、こんなに完成されているなんてすごい」というのと、
「いろいろ学んでいるはずなのに、これなのか、すごい💦」
っていうのが、混在しているからである。
(自分をものすごく棚に上げて率直なことを書いています。気を悪くする方がいらしたらごめんなさい。💦)
創作の泉
私はただの受験生の母親で、素人目線での感想でしかないのだけれど、
それでも、作品が上手か下手かは分かる。
「下手だけれど、心をひきつける作品」というのも分かる。
そして、「学校の文化祭みたいな作品」というのも分かる。
そして、案外「文化祭」が多い気がします・・・。
それらの作品は、
①観客には一般人もいうということを忘れている。
高校生が高校生に向けて作ったような。
ちょっと、大人には恥ずかしいような・・・・。笑
②ありふれている
「多分、素人さんでも思いついた」、みたいなやつ。
③奇をてらい過ぎている
逆に奇をてらい過ぎて、いろいろおざなりになっているやつ。
どれも技術はともかく、発想が素人っぽいというのだろうか。
おそらく、これらの学生たちの「石膏デッサン」は、素晴らしい出来なのでしょう。
技術は日々磨いているのだから、確実に進化します。
けれど、磨けるのはひょっとしたら技術だけなのかもと、ふと思ってしまって・・・・。
「これを使ってあれを作りなさい」って枠に縛ってあげれば、ある程度の作品は作れるのでしょう。
まったく「自由に作っていい」と言われた時、その子の本当の素質が出てしまうような気がします。
やはり情念か
オリジナル展覧会は、
結局のところ、「技術は学べても、創作の泉は学べない」ってことを示しているような気がしています。
問われているのは、「創作の泉は今、水がいっぱいに満ちていますか?」ってことなんだと思う。
中には、ギラギラしている作品もあるのです。
「私は、ここに居るんだ」って、主張している作品。
そういうのを作れる子って、どこでその情念を学んでいるんだろう?
予備校で学ぶ前から、泉はその子の中にこんこんと湧き出ていたのだろうか。
たくさん、美術館で良い作品を観てきたのだろうか。
それとも「俺はここだよ」って叫びたくなるような、そんな経験を積んできたのだろうか。
エネルギッシュに作品を作り出す人の、
泉の源はどこなのかな。
どうしたら、もっと湧くのかな。
それが分かれば、坊も苦労しないのに・・・。(´・_・`)
とにもかくにも野心満々の卵たちの「オリジナル作品」、ぜひ一度ご覧あれ。笑
写真はPAKUTASOさんのフリー素材を使用しました。