親の立場からの美術大学23 オリジナル作品に思う

案外普通

美術予備校は、美術系大学へ入学するためのスキルを学ぶところであるが、

通常の授業だけではなく、学生が楽しむための「イベント」も用意されている。

坊などは今までにも、登山に行ったり講師の家に招かれて食事をしたりしている。

そして、予備校で行う大き目のイベントとして、全生徒が出品する「オリジナル作品の展覧会」がある。

これは、大きな展示場を貸し切って行われるもので、学生は自分で企画・作成・展示をし、一般の観覧者も広く呼ぶ。

人気投票をやったり、各科ごとにで優秀者を選んだりするお祭りだ。

私はこれを、何年か連続で観に行っているのだが、いつも感心する。

それは、

「大学入学前なのに、こんなに完成されているなんてすごい」というのと、

「いろいろ学んでいるはずなのに、これなのか、すごい💦」

っていうのが、混在しているからである。

(自分をものすごく棚に上げて率直なことを書いています。気を悪くする方がいらしたらごめんなさい。💦)

創作の泉

私はただの受験生の母親で、素人目線での感想でしかないのだけれど、

それでも、作品が上手か下手かは分かる。

「下手だけれど、心をひきつける作品」というのも分かる。

そして、「学校の文化祭みたいな作品」というのも分かる。

そして、案外「文化祭」が多い気がします・・・。

それらの作品は、

①観客には一般人もいうということを忘れている。

高校生が高校生に向けて作ったような。

ちょっと、大人には恥ずかしいような・・・・。笑

②ありふれている

「多分、素人さんでも思いついた」、みたいなやつ。

③奇をてらい過ぎている

逆に奇をてらい過ぎて、いろいろおざなりになっているやつ。

どれも技術はともかく、発想が素人っぽいというのだろうか。

おそらく、これらの学生たちの「石膏デッサン」は、素晴らしい出来なのでしょう。

技術は日々磨いているのだから、確実に進化します。

けれど、磨けるのはひょっとしたら技術だけなのかもと、ふと思ってしまって・・・・。

「これを使ってあれを作りなさい」って枠に縛ってあげれば、ある程度の作品は作れるのでしょう。

まったく「自由に作っていい」と言われた時、その子の本当の素質が出てしまうような気がします。

やはり情念か

オリジナル展覧会は、

結局のところ、「技術は学べても、創作の泉は学べない」ってことを示しているような気がしています。

問われているのは、「創作の泉は今、水がいっぱいに満ちていますか?」ってことなんだと思う。

中には、ギラギラしている作品もあるのです。

「私は、ここに居るんだ」って、主張している作品。

そういうのを作れる子って、どこでその情念を学んでいるんだろう?

予備校で学ぶ前から、泉はその子の中にこんこんと湧き出ていたのだろうか。

たくさん、美術館で良い作品を観てきたのだろうか。

それとも「俺はここだよ」って叫びたくなるような、そんな経験を積んできたのだろうか。

エネルギッシュに作品を作り出す人の、

泉の源はどこなのかな。
どうしたら、もっと湧くのかな

それが分かれば、坊も苦労しないのに・・・。(´・_・`)

とにもかくにも野心満々の卵たちの「オリジナル作品」、ぜひ一度ご覧あれ。笑

写真はPAKUTASOさんのフリー素材を使用しました。

キャンバスに書かれた絵柄に色付けをする女性のフリー素材

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